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ホメオパシーとは

ホメオパシーの基本原理
 ホメオパシーは、今から200年以上前にドイツ人医師サミュエル・ハーネマンによって確立された治療法です。同じような症状を引き起こす物質を希釈して患者に与え、自己治癒力を強力に刺激することによって治療する高度に体系化された治療法です。
この考え方は、古くから存在し、記録に残るものでは紀元前に遡り、世界最古の医学書とされる「アタルヴァ・ヴェーダ」の記載やヒポクラテスによっても提唱されていました。
 その基本原理の中心は次の2つです。
1)like cures like:ある症状を持つ患者に、もし健康な人に与えた時に同じような症状を引き起こ物質を投与し自己治癒力を刺激する。
2)minimum or infinitesimal effective dose:効果の出る最小限の投与量によって治療する。

自然界のさまざまな物質を希釈して利用する
 ホメオパシーでは、この原理に沿って、各種疾患の治療のために数全種類という非常に多くの物質をレメディ(ホメオパシーの薬)として利用します。その大部分が、植物、鉱物、動物などの自然界からの原料であり、とくに希釈していない原材料の中には毒性の強いものもあります。
 ホメオパシーでは、治療に使用する際に、段階的に高度に希釈して、毒性がなく李朝効果の期待できる最小限の容量に変換してから使っていきます。
 ハーネマンがこの治療法を始めた当初は、濃度が濃くて毒性が強いものでした。そこで彼は毒性を減らすためにレメディーを希釈し薄めたところ、希釈すればするほど治療効果が高まることを経験的に確信するに至りました。  現在のホメオパシーにおいて、最もよく使用されている30c という希釈濃度は、10の60乗倍の希釈であり、物質の1モルあたりの分子数をはるかに超えた希釈となっています。そのため理論上は分子を含んでいないレベルにまで希釈していることとなります。
 1988年にパリ大学のベンベニスト博士が、超希釈して作った有効分子が全く入っていない液体を使って、好塩基球に脱顆粒反応を引き起こすという論文を科学誌「ネイチャー」に発表して依頼、この限りなく希釈されたレメディが整体に作用するという不思議な現象に対して、多くの研究が行われています。

ホメオパシーとバイタルフォース
 ホメオパシーでは、整体の生命を維持するエネルギーを「バイタルフォース」と呼んでいます。心で思ったり、五感で感じること、言葉で話すこと、食べることなど、人(動物)の生活上のさまざまな行為が自然の摂理に反している場合、そして環境的なストレスにさらされた場合、生体内のバイタルフォースが停滞し、それによる波動の調和に乱れが生じます。  この調和の乱れと、それを回復しようとする生体反応の両方の動きが精神や肉体に反映されて引き起こされるものが「病気」と考えられています。
 
心身共に調和が取れている時には、整体のバイタルフォースの流れも順調で、自己修復能力によって、心身の乱れは修復されていきます。しかし、心身の調和に乱れが生じて、バイタルフォースが停滞してしまった場合には、生体反応として自己修復能力にも、過剰反応や整体機能低下などのアンバランスが出てきます。
 ホメオパシーでは、レメディに内在するエネルギーを生体内に取り入れることによって、自己治癒力を刺激します。それによって、本来の力強い自然治癒力を引き出し、バイタルフォースの調和を取り戻し、滞っていたエネルギーの流れを回復させ、健康体へと導きます。

生体ごとに違う最適のレメディ
 ホメオパシーでは、病気になった原因や体質などが一人ずつ、一頭ずつ異なるため、同じ病気でも描く個体にとっての最適なレメディが異なります。ホメオパシーでは、できるだけ病気に至った根本的な原因を探っていきます。
 全ての感情は、主に神経系や内分泌系、免疫系のシステムを通して、物理的・化学的な体の変化を引き起こします。そのため肉体的な疾患でも、精神的な原因に起因しているおとがよくあります。
 ホメオパシーのレメディは、肉体的な病気だけでなく、精神的な部分にも細かく対応しています。


どういう場合にホメオパシーを用いるのか
ホメオパシーは小動物の医療分野で、主に次のような場合に使用されています。
ホメオパシーを治療選択肢の一つとすることで、心身ともにケアができ、治療の幅を広げ、診療の質を確実に高めることができます。また、ホメオパシーの最大のメリットは、症状を抑圧しないで、完治を目指せることにあります。

1.軽い症状や軽い打撲といった、病院に行くまでもない状態のセルフケア治療

2.乳幼児、妊娠中、高齢者の諸問題

3.一般医療で効果的な治療法がない場合

4.一般医療が、アレルギーや副作用により適用できない場合

5.一般医療と同等の効果があり、代替補完医療がより有益と判断された場合

6.一般医療に近い効果があり、十分な説明後に飼い主が強く代替補完療法を希望する場合

7.重篤な症例で従来の治療法が行えない場合

8.一般治療との併用において副作用の軽減や投与量の削減の補助

9.問題行動や精神的な問題に対する治療補助

10.過去の出来事が今の病気に繋がっている場合

11.過剰な重金属などの排泄補助

12.がんや慢性疾患、難治性疾患の生活の質(QOL)を考えた治療

13.未病段階での治療

14.一般の医療での監査の結果「どこも悪くない」と診断された場合

15.治療前後のケア

16.芯から完治を目指す治療の一つ、一般治療において対症療法しかない場合

17.その他総合的な判断からホメオパシーによる医療または統合医療が有益と考えられる場合


出典:ガイアブックス 動物と人のためのホメオパシー 森井啓二著

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